今日はちょっとハードな話になりますが、私が今まで何頭かの看取りをして感じてきた事です。
犬の高齢化と治療効果
ウチのアンジーも年明け10歳を迎えます。
同じように仲間の犬達も高齢化を迎え色んな病気に悩む子もいますが、
動物医療の進歩のお陰で動物の寿命が伸びていることはありがたいことです。
また、今までなら諦めざる得なかった病にも高度な治療を受けることが出来て状態を維持することができている子もいます。
しかし、高齢になってからの治療は回復が遅く
その病気と一緒に持病となる新しい病いが現れることもあります。
若いうちは代謝も高く免疫が働いて症状が出てなかったものもちょっとした体調不良をキッカケに色々発症してしまうようです。
高齢犬の治療リスク
飼い主が悩むのが、高齢になった愛犬の治療の選択です。
高齢であるが故にできない治療があります。
そのリスクを押しても症状維持のために高度な治療を選択する方もいらっしゃいます。
手術が出来ない部位だったり、大きいものや広範囲なガンは抗がん剤治療を選択する場合もあります。
それが効果があるのかないのか、個体差です。
症状の進み具合や、薬とのマッチング、その子が待つ免疫力の違いでしょうから、やってみないと分からないことでしょう。
抗がん剤治療を始め最初は抜群に成果が出ることもあります。そのまま効果が持続してくれることを期待します。
しかし、一定期間抗がん剤の効果があっても、薬を止めた時点で急速に進行が早まったケースもあります。
悲しいかな、抗がん剤はガンを抑制する反面自らの細胞の老化を早める結果となったようです。
体内の細胞は、自分の細胞と認められない物をやっつけてくれますが、薬や放射線はそう言う訳にはいきませんから。
老犬の食べれるもの探し
そしてまた、高齢犬が慢性疾患を持ってしまった場合など、食事を摂れなくなる事があります。
飼い主としては食べてくれない事は直接死に繋がる恐怖ですから、これなら食べてくれるかと、あの手この手で食材を探します。
しかし、食べてくれても1度か2度、そしてまた毎日の食材探しに困り果ててしまう話しをよく聞きます。
そんな時、病院では薬の副作用を利用して食欲を湧かせるとの話しを聞いたこともあります。
こういうときには薬も使いようなのでしょう。
飼い主としては食べてくれない事が一番辛い事ですし…何より食べれる物が無くなってお手上げ寸前ですから…
今の優先順位はなんであれ食べてくれる事。食べてくれる安心感は最強です。
今まで、この子は腎臓の数値が高めだからタンパク質の多いフードやオヤツを食べささないように、って気を使ってたのは一体何だったのかと虚しくなってしまいます。
治療と延命のボーダーライン
この子達は直ぐに飼い主を追い越していきます。
小型犬で4倍、中型・大型犬で5〜6倍の速さで生きるこの子達
仔犬の無条件な可愛らしさに心射抜かれて、
お互い文句言いながら育てあい、並みの飼い主と愛犬となって…
ずっと私を見続け「何でもアンタのことは分かってるよ」と言わんばかりに寄り添ってくれて、
そして、愛おしい老犬の時間を共に過ごす。
最後は、ゆっくりお世話させてください。
あなたに今までの感謝を伝える時間を残してくれたら嬉しいです。
その時がなければ、アナタの飼い主としての役割が締めくくれないまま終わってしまいそうで、後悔ばかり残ってしまいますから。
昨年、ウチの若い子が急死しました。
最後のその時は病院で迎えさせたくないと家に連れ帰ったのですが、
数日前まで元気にはしゃいでた子だけに、もうダメだと分かっていながらも、まだ頑張れるんじゃないかと一分の望みをもって自宅で出来る点滴や薬を貰って帰りました。
しかし、その晩往診してくれた看取りを多く見てきた獣医さんに、もう治療の段階は超えてしまってる子に点滴や薬は毒なだけと諭されました。
最後は枯れるように
動物の理想的な最後は枯れるように迎えられないと苦しむだけだそうです。
安らかにいかせてやるなら何時迄も水分を入れるべきでないと言われ、ハッ!と気づきました。
その昔、私が看取った理想的な最後を見せてくれた子は16才半で体重がピーク時の半分まで痩せたにもかかわらず、その日の朝までガツガツ食べて健康なウンチをして眠るようにいった子がいます。
その子との介護や看取りを経験して、最後はこうあるべきと感じたものでした。
なのに、年齢が若いとその一線が引けなかった。
今思えば、
まだやれることがあるんじゃないか?
私はまだ何もしてないのにと言う私の勝手な思いだったんでしょう。
現実を見れずにいた証拠です。
枯れるように…と、先生がおっしゃった通りだと思います。
そして、この子達と関わる上で「病気を持たない老犬を育てる」と言う私の基本方針に繋がりました。
「病気を持たない老犬を育てる」
その為に私達飼主に出来ることを一つ一つ書き止めていきたいと思います。
参考にして頂いけたら嬉しいですし、又、こんな別の方法を知ってるとか聞かせてもらえたらとワクワクします。
犬や猫達の役に立つ知識や大切に思う輪を広げていけたらと言う思いです。